【メタ認知学習】「分からない」パターンを知って、学習の停滞を脱出する

学び

今回も通信大学生の筆者が勉強をサクッと攻略していくための方法を書いていきます。

実際勉強をしていると、こんな悩みはないですか?

  • 覚える内容が多すぎる
  • どこまで手を付けていいか分からない
  • 難しくて中々進まない

それを解消するための方法をシリーズ化して紹介していきます。

またこれは通信大学のみでなく、以下のようなシーンにも応用できる視点で書いていますので、興味ある方にはおすすめできます!

  • 受験勉強
  • 資格勉強
  • 仕事のマニュアル習得
  • 諸々の教養

今回のテーマは、「何が分からないかに注目することで、学習のつまづきを解消していく」ことです。

今回は分からない種類についてまず書いていきます。
ポイントの解説になるので、各詳細についてはまた別の機会で取り上げたいと思います。

なお、不明点を把握した上での学習の進め方については、次回更新で解説していきたいと思います。

「分からない」対象を明確にする

分からないにも色々なパターンがあると思います。例えば「意味が分からない」「仕組みが分からない」などなど。

分からない対象に気づき、明確することで学習の課題がクリアされていくと思います。

そして、疑問点を把握しながら学習することは、自分を客観視するメタ認知の一種であり、効果的な学習と言えます。

近年ではメタ認知の一種として、自己調整学習が注目されており、自分の状態を把握しながら学習することで、モチベーションなどの効果が得られると言われています。*1)

以下では、学習でどういう類の分からないが生じるかのパターンを紹介したいと思います。
なおパターンは、「ちくま新書 「わかる」とはどういうことか」を一部、参考文献にしています。*2)

まずは、今自分がどういう、分からないパターンに遭遇しているかに気づくことで、ゴールである理解に向かっていくことができます。

「分からない」パターンのいろいろ

意味が分からない

まず考えられるのは、意味が分からない場合でしょう。
勉強していて、書いている単語や概念が分からず、学習が止まってしまうパターンです。

言葉の定義が曖昧だったり、イメージが湧きにくい時に起きると思います。

こういう場合、以下のような対処法が挙げられます。

  • 分からない箇所を、イメージが湧くレベルまで調ベてみる
  • 抽象的な意味と具体的な意味をセットで理解してみる
  • 目的を理解してみる

仕組みが分からない

勉強していると、「仕組み」や「システム」が分からないことに気づく事が多いです。

これは、世の中のモノや概念が「機能」という考え方で形作られていることが多いことに起因します。

例えば、様々な産業機械やサービス、ITシステム、制度、ビジネスツール、etc..

古典哲学では「機能主義」というものもあり、色々なもの(建築・心理・社会・制度など)は、その目的に基づき設計されなければならないという考え方があります。*3)

みかけは、事実のように見えますが、事実の一面であって全部ではありません。

みかけを作り出しているからくりを理解しないと、本当にわかったことにはならないのです。

*2)ちくま新書 「わかる」とはどういうことか ――認識の脳科学

上記で紹介した「目的」を達成するための機能や仕組みの不明点に注目していくことで、より主体的な学習が可能になってきます。

理屈が分からない

「なぜそうなるのか?」に注目していくと、より深い理解が可能になってくると思います。

例えば、問題や事象の原因を理解したり、方法論の原理を理解したりすることです。
理屈がわかることで応用的も可能になってきます。

例えば、心理学で自己決定理論というものがあります。*4)

これは、人間のモチベーションは、まずは外的なものから刺激していくと良いという理論です。

それは、人には導入が簡単な外的なもの(報酬など)から始めて、次に義務感や危機感を自身に取り入れ、やがて主体的に行なっていけるという法則性が確認されているためです。

これを自身の学習や、職場にも応用していくことで、パフォーマンスの向上も可能になるでしょう。

もちろん学習内容によっては、なぜそうなっているかの理由を調べても明確な答えが見つからない場合もあると思います。

そんな時は思考力の出番です。
ある程度の情報を材料に、自分なりに原理原則を考えて応用につなげていく ー これこそが思考の極意と言えるかもしれません。

前提が分からない

新しい概念を習得する際に、前提となる知識が概念が必要な場合があると思います。

前提があるとないとで、知識の理解度が変わってくることも多いです。

例えば大学の授業でも、前提として学習していることが望ましい科目があったりします。

学習内容がよく分からない時は、一度前提知識の有無を疑ってみると良いかもしれません。

ルールが分からない

ルール・規則が分かれば、解決できる課題の場合に当てはまると思います。

例えば受験勉強の計算問題や、仕事であれば会計帳簿の付ける場合など、一定のルールに基づいて行われていきます。

答えが決まっているものは、このルールを明確に理解していくことで、解決が可能になってくると思います。

方法が分からない

何かを実践したい場合になどに、やり方が分からない場合です。

何かを学んで実践する場合や、仕事で課題に取り組む場合などが該当すると思いますが、比較的簡単に自覚できるパターンかもしれません。

よくPDCAサイクルが色々な場面で利用されますが、これは最初のP(計画)の段階で集めるべき情報になると思います。

考え方が分からない(=共感できない)

今までとは少し異質ですが、自分が価値判断的に共感できず理解できないこともあると思います。

自分の価値観に合わなくても、よく理解してみると新しい見方ができたり、自分にとって有益な場合もあると思います。

もちろん、「よく理解してもやっぱり自分に合わない」こともあると思いますが、吟味して情報を集めることにも意味があると思います。

詳細が分からない(=情報不足)

全体的に情報が足りていないことで、理解が難しい場合です。

学校での勉強など、すでに教科書に情報が網羅されていることもあります。
しかし、仕事での引き継ぎや問題解決の場で、情報不足の状況は多々あります。

よく言われる対処法としては、5W1Hで情報を集める事があげられたり、
目的から逆算することで情報をトップダウン的に集める方法もあります。*5)

ポイントが分からない

ポイントがぼやけていると、理解や記憶がしづらいことがあると思います。

例えば、本などで難しい文章を読んでみたが、結局何か言いたいのか分からないというのは、ポイントが不明瞭な場合です。

最近、youtubeでもよく本の要約が流行っていますが、
とりあえず詳細は抜きにしてポイントで要約していく事で頭にコンパクトに入り、知識が吸収されやすくなります。

よく3つにポイントを絞ると頭に入りやすいと言われます。*6)
ポイントを3つに絞れれば、自分も理解しやすいし人に伝えやすいのでこの方法はおすすめです。

全体像が分からない

そして最後に全体像が分からない場合です。

全体像が分からないと、どこから攻略していけば良いかも分かりづらくなりますね。

大きな広がりの中で、正しく見当をつけられるということの大切さは、(中略)自分がこれからやらねばならない問題の処理にこそ最もよく表れます

*2)ちくま新書 「わかる」とはどういうことか ――認識の脳科学

具体的な全体像のつかみ方は、各分野によって対処法も変わってくると思いますが、
体系的に整理することで全体像の理解が可能になってきます

体系づけの方略については、以前の記事で取り上げているので参照ください *7)

参考リンク

*1)「自ら学ぶ力」、どうすれば育てられる? 自己調整学習の専門家に聞く
https://www.asahi.com/edua/article/13340047

*2)ちくま新書 「わかる」とはどういうことか ――認識の脳科学
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-08-9975738303

*3) 機能主義について
https://liberal-arts-guide.com/functionalism/

*4) 自己決定理論とは? 3つの軸と5段階のプロセスを理解して、内発的動機づけを促そう
https://learn-tern.com/self-determination-theory/

*5) 情報収集のコツ7つをマスターし、仕事を劇的に効率化しよう!
https://flouu.work/media/information-gathering-tips

*6) 「3つにまとめる」説明こそが伝わりやすい理由
https://toyokeizai.net/articles/-/329690

*7)スキルアップ × 心理学 #2 -何から始めたら良いか分かる-
https://mindhack-lab.com/skill/skillup-process-second/

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