【組織心理学】変化に強いリーダーシップのタイプと資質とは何か?

職場/組織

今回は組織心理学におけるリーダーシップについて取り上げたいと思います。
放送大学の産業組織心理学、6章:リーダーシップの要約・学習記録も兼ねています。

技術や時代が進んでも、リーダーシップの必要性は常に存在していると言えます。
組織心理学で言われているリーダーシップのあり方・考察なども含めて、以下の視点で書いていきたいと思います。

  • 実際にリーダーシップに求められる資質とはどのようなものか?
  • これからの時代に必要なリーダーシップとは何か?

リーダーシップ

まず、リーダーシップにも様々なタイプがあります。
時代の流れや研究の積み重ねによって、リーダーシップのあり方は見直されてきました。

長年のリーダーシップ研究において、少なくとも常に部下に服従を求める強権的なリーダーシップは否定されています。
その上でどういうリーダーシップのあり方があるのか、紹介していきたいと思います。

以下では3つのタイプのリーダーシップ(交流型・変革型・サーバント型)を紹介し、主に求められる資質に対して長所となるポイントについて◯をつけています。

タイプ簡単な説明変化へのスピード対応自主性    モチベーション向上 チームワーク向上  安定性    
交流型組織内の運営に重きを置く  ◯  ◯
変革型外的な環境変化への対応が上手い”カリスマ型”  ◯  ◯
サーバント型メンバーの自立性をサポートする  ◯  ◯  ◯  ◯
リーダーシップのタイプと特徴

まず、組織内の運営に重点を置く「交流型」に対し、外部環境への迅速な対応力が意識された「変革型」。
交流型リーダーシップにおいては、組織の目標達成を重視しつつ、メンバーの人間関係にも配慮する点も兼ね揃えたリーダーが最も優れているとされます(PM理論)。

そして最も近年ではビジョンを示しつつも下支え的なポジションが望まれる「サーバント型」のリーダーが注目されています。
自主性が発揮される反面、主導権が握られるデメリットもある
組織のビジョンの意識づけや目標管理など、リーダーとして根幹の部分は握っておく必要がある。

またそれぞれの属性を、状況やメンバーに合わせて対処していくリーダーシップである「状況対応型」も注目されています。

考察など:今後に必要なリーダーシップの戦略

仕事が複雑化する中で、リーダーの負担を軽減する補佐役の重要性

仕事も複雑化していく中で、リーダーに求められる資質は次々と増えてきています。
そういった中で負担も増えてきます。

しかし、時代が進歩しても人間の能力自体は基本的に向上しません。
そこで、メンバーもリーダーの補佐的な立ち位置で、リーダーに足りない属性をフォローする「補佐型」の役割の重要性も増してきていると思います。

状況対応型リーダシップの例

状況対応型のリーダシップを取り入れることで、組織運営の柔軟性が高めることが可能になります。
ではどのように使い分けるか?

ティーチングとコーチングの活用

組織を牽引する上で、二つのアプローチがあります。
それは「ティーチング」と「コーチング」。

違いは以下のようなものがあります。
二つのアプローチを使って状況に対応できるリーダーシップに臨むこともできると思います。

  • ティーチング
    知識やノウハウを相手に直接伝えていくこと。
    基礎知識が必要な場合や、スピードが従事される状況で有効。
    ティーチングにおいては、従来の一般的なリーダーシップが当てはまる(交流型・変革型)
  • コーチング
    相手にある程度の基礎知識が蓄積された状況で有効。
    情報やアイデアの共有・長期的な成長や能力開発の実現に向いている。
    コーチングにおいては、相手のサポートをする立場のサーバント型が有効
メンバーのタイプに応じたリードの行い方

メンバーのタイプによって、リーダーシップの取り方を変えるのも有効と言われており、ここで紹介したいと思います。
これは、「ソーシャルスタイル」と言われ、1968年にアメリカの産業心理学者であるデビッド・メリル氏が提唱したコミュニケーションの理論です。

これは、メンバーを感情の強弱・主張の強弱の軸で4タイプに分けて、思考パターンや適正を示したものです。*1)

ソーシャルスタイルの分類

メンバーのソーシャルスタイルに合わせて、対応を変えていくのも状況対応型リーダーシップの戦略と言えます。*2)

  • 自信家タイプ(ドライビング)
    仕事を基本的に任せ報告の機会を日時を決めて設けるようにする。
    必要に応じて、リーダーの補佐役も任せていく
  • ムードメーカタイプ(エクスプレシブ)
    自由な発想を求められる場面や仕事にアサインしてみる。会話を楽しみながら自発性を引き出すこともできる。
  • いい人タイプ(エミアブル)
    仕事の状況が順調かを柔らかい口調で聞いて、安心感を与えることで、仕事のパフォーマンスが向上させられる。承認や労いの言葉も非常に有効。
  • もくもくタイプ(アナリティカル)
    具体的な指示を出し、任せることで、着実にこなしていけるタイプ。
    突発的な予定変更は苦手だが、事前に配慮すれば効果的(会議で発言を求める場合には、事前に求めていることを予告するなど)。

参考リンク

*1) ソーシャルスタイル
https://www.wowcom.co.jp/service/quality/training/socialstyle/theory.html

*2) リーダーのための! コーチングスキル
https://bookmeter.com/books/11519050
※参考書籍として活用

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