以前の記事でアサーションに関する考え方を取り上げました。
今回はより実践編としてアサーションを行う上でのマインドの話を書いてみたいと思います。
アサーションを行うにはやはり勇気が必要で、中には罪悪感や抵抗感を負担に感じる方もいるかもしれません。
今回はアサーションを行う上で、罪悪感を払拭して自己主張するための方法をまとめてみました。
アサーションの振り替えり
アサーションの目的は、利害や価値観の一致しない相手と活動する上で、自分の要望も伝えつつ互いの最適解を見出すことです。
まずは、前回記事で取り上げたアサーションについて、振り返ります。
アサーションの目的は、利害や価値観の一致しない相手と活動する上で、自分の要望も伝えつつ互いの最適解を見出すことでした
ポイントとしては以下になります。
・相手の要求に答えたい気持ちは表現しつつ、十分期待に沿えないことを言う
・相手を非難するのではなく、自分の意志をアイメッセージで伝える
・自分ができることや代案を伝えて交渉する
しかしながら、実際の状況で実行できるかというと中々難しく、その理由は立場の違いや背景にある感情など、様々な要素が含まれているからです。
今回の記事では、「この言うは易く行うは難し」問題について切り込もうと思います。
アサーションは段階的に
アサーションをする上で、抵抗感を生むのが「罪悪感」です。
特に周りを優先する方にとっては大きな罪悪感となります。
スモールステップで自己主張する
そこで罪悪感を和らげるために、「スモールステップで自己主張する」という考え方を紹介したいと思います。
罪悪感を少しでも解消するには、自己主張のレベルを下げることです。
本当は自分の要求を50%通したいけどまずは30%に留めておくそうすることで、精神的負担を減らすことができます。
まずはスモールステップで徐々に自分の要望も出せるようにしてくのが良いでしょう。
自分が人間関係に貢献したいという気持ちも尊重
その一方で、スモールステップでも罪悪感を感じる、もしくはそのスモールステップが小さすぎてまだまだ自分の負担感が大きい、といった悩みもでるかもしれません。
そういった場合、自分が周りに貢献したいという気持ちも尊重すると良いでしょう。
チームワークのためには、相手の期待を組み取って応えていくことも大変重要です。
奉仕的な行動が取れるのは、純粋に社会で必要とされるマインド・スキルです。
相手の期待に応えて、なおかつ自分の要望も以前より少しづつ叶えられるようにする、
こういったマインドセットがアサーションの実行の原動力となるでしょう。
検討する時間をもらう
すぐその場で引き受けず、検討する時間を作ることも重要なポイントとなると思います。
例えば
・「要望は承知しました。どの程度ご期待に沿えるか検討しますので、しばらくお時間をいただけますでしょうか」
・「現時点でお約束はできませんが、ベストを尽くしますので検討させてください」
のような言い方です。
要求を伝える責任感に過敏にならない
アサーションは自分の権利を伝える行為ですが、
自分を主張する罪悪感を負い目に、かえって無理をする事に繋がる可能性もあります。
それは、「権利を主張する前に義務を果たさなくてはならない」という意識が、日本の教育において過剰に刷り込まれている背景が少なからずあるからです。
もちろん一定の努力は必要だと思いますが、そこには一種の「割り切り」が必要です。
以下ではそのための考え方を紹介します。
罪悪感への対処(1):仕事はそもそも問題解決の連続と考える
仕事は「問題解決」と「想像」に分類されると言われる事があります。
そして仕事の多くはこの問題解決になると思います
問題が起きるのが当たり前で、問題があるからこそチームワークが必要です。
そして、そのチームワークの中でメンバーが公平な負担と利益を享受するのが理想で、そのためにアサーションが必要です。
問題解決をネガティブに捉えず、主張をしていく事も仕事の内である、という考え方でアサーションをしていくとより効果的になるかもしれませんね
罪悪感への対処(2):不確定要素に対して神経質にならない
実際、アサーションを行う場合というのは、今後の業務量や対人面での負荷を和らげるために行うことが多いと思います。
しかし今後の予測というのは外れることが多く、いくら事前に計画や予測をしても、不確定要素は起きます。
どういう事かというと、これからの事についてアサーションをしても、取り越し苦労になったり、予測を謝って過剰に自己主張してしまったりすることを心配する事も、自己主張がしにくい一因になるかもしれないという事です。
例えば、
「このような主張をして無責任と取られないか?」
「状況や今後の経過を想像しつくした上で提案する必要があるのでないか?」と言ったことをつい考える事があるかもしれません。
しかしながら、過剰な不安想像は消耗にも繋がります。
米ミシガン大学の心配事に関する研究調査によれば、心配事の80%は起きず、残りの16%は準備していれば防げるというレポートが出ています↓
心配事・不安の96%は実際には起こらない。考えないのが一番
あれこれと考えすぎず、それよりも今起きている状況や明らかな事にだけ向き合って、
後は分かりやすく相手に要望を伝えることに集中した方がより生産的なのかもしれません。
最後に
以上、アサーションをする上での心理的な障害について解説しました。
仕事は何も全て生産的な事だけでなく、アサーションを適切に行なっていくことも仕事のうちと考えると、実行しやすいのだと思います
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