アサーション 〜相手も自分もWinWinな関係に〜

職場/組織

職場の人間関係を良好に保つためのアサーションについて触れます。
筆者が放送大学の学生で、「産業・組織心理学」の学習内容と自身の経験を踏まえて記述しました。

職場の成果と自分のメンタルヘルスの両方を最大限にするための考え方として、前半でアサーションの説明や効果などを、後半で実際に取り入れていく中での検討事項を記載。

アサーションとは?

職場などにおいて、自分と相手両方の意見・価値観を尊重して行うコミュニケーションのことで、双方の対立、相手への説得、そして相手からの厳しい要求へ対応する場面などで効果があるとされています。

代表的な方法としては、
・相手を否定するのでななく、自分はどうしたいのかを伝える「アイ・メッセージ」
・事実と感情を分けて伝えて、相手に納得感を得てもらうこと
・相手の期待に答えられない事を伝えた上で、代替提案をすることなどなど

具体例はすでに色々な記事があったので紹介↓↓
◆ DESC法、アサーションのレベルチェックなど
あしたの人事:アサーションとは?
◆ アサーションの4つの柱
ビジネス心理学:アサーションとは?

その他、具体的なシーン別のアサーション例については、後ほど記事にしようと思います

アサーションの効果

一般的な効果

アサーションは、同僚、取引先、上司部下のあらゆる場面で活用できます。
特に上下関係において「ネガティブコミュニケーション」は職場の大きな問題であり弊害です。

前向きなコミュニケーションができれば、部下のモチベーション、メンタルヘルスは向上し、加えて問題の隠蔽も減らせる効果があると言われています。

加えて個人の能力もより活かすことができ、それを職場全体の成果にもつなげることもできます。

心理的安全性

産業心理学の分野では、「心理的安全性」がよく言及されており、安心できる居場所と労働者が思えることが、自己開示と能力発揮へ効果的と言われています。

心理的安全性が成果につながることは何となく実感できるが、詳しくは後ほど記事にしようと思います。

理不尽な職場状況へ気づく効果

職場のメンタルヘルスでよくありがちなのが、自身が不当な扱いを受けているにも関わらずそれに気づけない、いわゆる「感覚が麻痺している状態」に陥ってしまうこと。しかしその間にも消耗は進み、ひいては健康被害にも繋がりかねません。

この問題についてもアサーションは効果を発揮すると考えていますなぜなら、アサーションとは人間として本来あるべき信頼関係の形であり、不当な扱いを受けたことを認識できるためです。

そして認識することができれば、対策するモチベーションが湧き、自分を守る行動にも繋げられると思います

リモートワークにおいては、より言葉のマナーが重要

リモートワークが増え、多くのやりとりがメールやチャットになりました。
対面コミュニケーションは言葉以外にも表情や言葉の抑揚が使えたことで、行き違いが発生しにくかったですが、メールやチャットではそうはいきません

特に依頼、要求、指摘、辞退などの表現はデリケートに行う必要があり、直接的な表現は受け手の生産性を大きく下げる要因にもなり得ますよね。

具体的な言葉使いについては、最近見たコラムで良いものがあったので紹介します。対目上の人だけでなく、部下や同僚、取引先等への文章の書き方をバランスよくまとめられている記事でした。

◆様々なビジネスシュチュエーションでの言葉の伝え方
書き方ができる人コラム

アサーションした内容は記録する

アサーションは記録することでより心理面での効果があるでしょう

具体的には
・コミュニケーションの振り返りと改善
・自己肯定感の向上(特に問題解決をした実績)
・アサーションで解決しなかった場合の損切りの判断材料(後述)

話が通じない相手への「損切り」も重要

相手に歩み寄りすぎて疲れないように

アサーションを使えば職場のコミュニケーションの多くを解決できると言われています。
しかしアサーションはエネルギーを使います

中には「話の通じない相手」もいるでしょう。
例えば自分に対して敵意が剥き出しであったり、共感力が著しく欠如している相手に遭遇した場合など、時にはあきらめも必要です

人格の調査研究においても、中には悪質な性格要素を持っている人もいるとされています。
◆人格に関する研究や記事
ダークトライアドの3種類の性格と特徴
テイカー社員が会社を潰す⁉︎会社の成長に欠かせないギバー社員の増やし方とは?

相手がどのような人格かを見極め、自分が歩み寄って改善する相手なのか、そうでないのかを見極める姿勢は必要になりますね。

そして、話し合いができる相手かどうかは、実際に問題解決を行う際に実感することができます。
筆者も仕事の問題解決をするときに、より信頼関係が増したケースと、逆にそうではなかったケースがありました。

自分の心の状態と相談しながら、エネルギーを配分していく

上司や同僚とアサーションを続けても改善が見られない場合は、「損切り」を検討すべきです。
具体的には環境調整や配置転換、第3者機関への相談、転職などの対処法になります。

アサーションをしっかり実践しても、自分が消耗するだけでメリットが無いならば、見切りをつけて手を打つのが賢明でしょう
そのプロセスにおいて、記録しておいたアサーションを振り返れば、「ここまでやっているのなら理解のない相手に見切りをつけても良いだろう」と判断を後押しできるはずです

結論:自分の心理状態と相談しながら、アサーションを使いこなす!

人のエネルギーは有限なので、多くの精神的コストを払う相手には無理に対応せず、分のエネルギーを適切に配分していく事もアサーションスキルの一つと言って良いと思います。

できることは限られているので、アサーションをする相手も自分で選んで良いそして自分に悪意のない人と良好な関係を促進していくことが、個人としても組織として幸福に向かうはずでしょう!

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