キャリア選択における悩みは、就職や転職、退職、異動など様々な場面で起きるものですね。
そこで今回は産業心理学で提唱されているキャリアアンカーについて取り上げます。
キャリアアンカーとは?
キャリアアンカーとは、MITのエドガー・H.シャイン教授によって提唱されているキャリア選択に関する概念です。
キャリアアンカーとは、変わりづらい組織文化の中で、個人がどのように理想的な働き方をしていくかという問題にヒントを与えてくれます。
キャリア選択にあたって、難しい選択に迫られることは誰しもが経験すると思います。
その場面において、自分の譲れない判断基準を検討するためのツールがキャリアアンカーです。
キャリアアンカーでは、「専門性を追求する道」「管理職として出世する道」「自由な働き方をしていく道」などの8つの働き方を提示しています。*1)
例えば自分は、専門性を高めるよりは、出世して組織運営や経営企画に関わっていきたい、と言う動機が強ければ管理職やより上位の役職を目指して行くようになります。
そして、どの道が自分にとって良いかを検討するために、
「動機」「価値観」「適正」の3つの観点で選択をしていく考え方も紹介しています。
自分の選択しているキャリアアンカーが、
自分の動機(やりたい事)、価値観(こうありたい)、そして適正にマッチしているかをチェックすることでキャリア選択に確信が持てるようになるためです。
アドラーのライフスタイル論で、転職の動機を深くするヒントに
キャリアアンカーは特に、転職の決断の際に活かせるでしょう。
しかしながら、環境を変える転職にはリスクが伴います。
もちろん環境変化は成長の機会にも成り得ますが、転職の実行にはその覚悟や信念が必要となってきます。
キャリアアンカーを使って働き方を考えたとしても、その選択に信念が無いと行動にはつながりにくいでしょう。
そこで、アドラーのライフスタイル論がヒントになるかもしれません。
アドラーは20世紀初頭に活躍した心理学者で、心理学の三大巨匠の一人と言われています。
有名な著書には「嫌われる勇気」がありますが、現代にも大きな影響を与えています。
彼によれば、ライフスタイルはまず子供時代に形成され、それは以下の3要素で決まってくると言っています。*2)
- 自己概念
「自分はどういう人間か?」を表すもの。
子供時代の人間関係や環境によって作られ、本人の思い込みにもなっている。 - 世界像
自分にとって「世界はどういう存在か」を表すもの。周囲は自分を受け入れるか、受け入れないかなどの考え方。 - 自己理想
上記を踏まえて「自分がどうあるべきか?」を表すもの。
例えば「周囲に認められるために努力を続けるべきである」など。
しかし、子供の頃に作られたライフスタイルを堅持すると、それに捉われてしまうことで、束縛的な人生になる可能性があります。
それは、他者からの評価の為であったり、自分の思い込みであったりすることが多い為です。
ライフスタイルというよりは、行動パターンと言った方がよりイメージが近いかもしれません。
自分が元々持っている行動パターンから脱却して、より自分の純度が高い人生を送っていくという考え方です。
そのためには、「どう変わりたいか?」と言う視点で、新しいライフスタイルへシフトしていくことが必要と言われています。
「自分がどう変わりたいか」という視点を踏まえてキャリア選択をして行くことで、転職などの動機にもより深みが増すのかもしれません。
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