仕事や日常において、「モチベーションはどうやって保てば良いか」という問題に直面することが多いと思います。
前回の記事で、モチベーションにおける期待理論と目標設定理論について説明しました。
- モチベーションは、3要素：課題への期待性 × 道具性 × 誘意性で決まる
- 目標設定理論を使うと、やる気の出る目標が立てられる
- 期待性・道具性・誘意性を意識した目標にする事で、継続力を養う
期待理論や目標設定理論は、心理学を用いたモチベーションに関する理論です。
しかし、実際に何かの努力を始めたとしても、問題なのは毎日継続できるか？という点です。
目標設定によりモチベーションが湧いたとしても、それが日々の活動へのやる気につなげていく必要があります。
そこで今回は、目標に向かって日々の継続が止まらないようするかをテーマに見ていきたいと思います。
今回の記事も以下の方向けになります。
- モチベーション管理して成果につなげたい
- 自分の中で習慣化したいことがある
- 子供や部下のやる気を引き出したい
まずは”始めること”を目標にする
目標として一般的なのは、「いつまでに〜をする」というゴール設定だと思います。
しかし、そうではなく最初は「いつまで〜を始める」を目標にしても良いかもしれません。
というのも、何事もまずは始めるのに腰が重かったりします。
例えば以下のような感じです。
- 資格勉強なら「専門書を買い合格に向けた計画を立て、まずは１ページを勉強してみる」
- ランニングなら「シューズを買って、できそうなコースを見つけ、まずは少し走ってみる」
腰が重い理由には、始めた後の継続が億劫だという事があるのではないでしょうか。
ならば「始める」ことと、「継続すること」を分解してそれぞれを目標にしてみるのです。
新しい事は脳の活性化にも良く、特に近年では行動力が高まる効果があるとも言われています。*1)
始めるだけでも価値があるので、それ自体を目標にしても良いかもしれませんね。
3日で達成できる目標を立てる
3日坊主という言葉がありますが、そうなる前に先手を打っておくのも手です。
目標を立ててやってみたはいいけれど、3日でモチベーションが続かないことはよくあると思います。
これは、退屈すぎたり目標が高すぎて近づいている気がしない場合にも有りがちだと思います。
そこで2~3日でできそうな小目標を立てて達成し、やる気を継続できるようにしていきます。
目標への地道な取り組みの中にも、しっかりと目先の利益を用意しておくことで、モチベーションの途切れを防いでいく事ができます。
予定が入ることで、気が進まない誘いを断れる
目標対する習慣ができてくると、それがルーティンになっていきます。
そしてルーティンができると、自分の予定が埋まるので気が進まない誘いも断りやすくなります。
何も無くて断るのは罪悪感を感じてしまいがちですが、“予定”があれば断るハードルは低くなるでしょう。
自分で時間をコントロールしていくことで、周りに振り回されにくくなり、自己効力感が高い状態を作ることができます。*2)
小目標の達成で「心の余裕」「達成感」「意欲」を沸かせられる
学習心理学に基づくと、継続には達成感と実行の好循環が必要になります。
これは「好ましい結果」とその「報酬」がセットになることで、より行動が強化される性質が人間にはあるためです。
例えば、勉強して成績が上がる（好ましい結果）ことで、達成感が得られる（報酬）ことで、よりやる気が上がる仕組みです。
そこで、達成感を日々の目標に取りれる事がポイントになってきますが、その為には小目標を立てて簡単に達成感を感じられるにしていきます。
ある研究によれば、大きい目標よりも小さい目標を設定したグループの方が、早く目標を達成したという結果も得られているようです。*3)
大きな目標を立ててしまうと、達成のイメージが湧きにくく、ストレスによりモチベーションにマイナスになるのも有り得ます。
逆に小さい目標なら、早くも達成できたという気持ちに加えて「もっと進めたい」という意欲が出てきやすいでしょう。
小目標を実現していけば、「達成感」・「心の余裕」・「次への意欲」が生まれやすいです。
これをエンジンにさらに次の目標を達成していく事に繋がっていくと思います。
参考リンク
*1) 脳は「新しいこと」が好き：特性を生かせばもっと賢く学習できる
https://www.lifehacker.jp/article/130526whynewthings/
*2) 人生の幸福を決定づける「人生をコントロールしている感覚」について
https://ideanotes.jp/note52/
*3) ウソの「スモールゴール」を設定して生産性を上げよう
https://drs-wealth.com/management/ma250/
コメント