よくこの仕事に向いている・向いていないを聞くことがあると思いますが、この記事ではそれを心理学的に考えて書いてみました。
それを考える上で、ユングのタイプ理論というものがあり、まずはそれから触れていきます。
ユングのタイプ理論
タイプ理論とは?
個人の性格特性を踏まえて適職を判断する方法として、ユングのタイプ理論があります
ユングとは、スイスの心理学者で、心理学の三大巨匠(フロイト、ユング、アドラー)の一人と言われており、人が自己実現する上で自身の性格特性を把握する必要性を説いています。
彼の研究によれば、人の性格には3つの軸があり、それに沿って性格特性を表現できると主張しています。
3つの軸とは、
・思考ー感情 … 物事を論理的に考える(思考)か、感性で捉えるか(感情)
※ 感覚ー直感は言い換えれば、例えばニュースを見てその出来事自体に関心が向くか、それともその裏にある背景や情勢などに関心が向くか、です。
・感覚ー直感 … 物事をそのまま捉える(感覚)か、その裏にある物事に目を向けるか(直感)
・外交的ー内向的 … 物事の関心が外の世界や他人に向いている(外交的)か、関心が自分自身に向いているか(内向的)
タイプ理論に基づく職業診断の例
評価軸によって適性は様々ですが、こちらでは特に記載せず、そのような診断サイトを記載したいと思います。
・ユングの性格特性に基づく職業適正の説明↓↓
・職業適正診断↓↓
「この仕事に向いていない」とは?
ユングのタイプ理論を踏まえて「この仕事に向いていない」はどういう事かを見ていきます。
誰しもが持っている主機能と劣等機能
ユングの性格特性によれば、人によって優位に出る特性とそうでないものがあるとされ、優位に出るものを主機能、そうでないものは劣等機能と呼ばれます。
例えば以下のような具合です。
・外交的な性格の場合
→主機能は外交性で劣等機能は内向性。関心は外に向きやすく、内面には向きにくい傾向
・内向的な性格の場合
→主機能は内向性で劣等機能は外交性。関心は内面に向きやすく、外には向きにくい傾向
劣等機能への向き合い方
この劣等機能というのは、単に劣っているという意味ではありません。
まず誰もが両面を持っており、人によって内向よりも外交的な傾向であったり、または論理より感情が優位であったります。
そして劣等機能は、当人にとっては上手く使いこなせないものであるとユングは言っています。
そのため「この仕事に向いていない」というのは、この性格の”志向性”が、仕事と上手くマッチしないからであると言えるでしょう。
そして就職や転職における自己分析とは、まずは自分の性格特性を把握して、それを実際の職場を通じて確かめていくという行為なのかもしれません。
またキャリアを詰んでからも、性格分析を行って自分の適正を再検討したり、後輩や部下の個性の違いを理解して指導にあたることに使う事も可能になるでしょう。
ここで大事なのは、部下に指導する場合でも自分がキャリアップする場合においても、性格の劣等機能を責める必要はなく、人間の性質上そういうものなのだと理解していく事になります。
性格特性にあった職業選択の上で、不足はスキル習得で補う
性格分析をしたとはいえ、実際に職場で働くと、向いている仕事が必ずできるとは言えない場面もあると思います。
例えばエンジニアで基本は設計やコーディングが仕事でも、時には顧客との打ち合わせが必要な場合があったります。
また、慣れないうちは覚えることも多いので、自分の判断で進められることは少なく、そこでコミュニケーションが必要だったりします。
そのため、自分の性格特性で職業選択をし、足りない部分はスキル習得で補う事も一つのキャリアの考え方になるでしょう。
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