放送大学の科目「学習・言語心理学」で学習した学習心理学の定義と、学習の方法について応用例を踏まえて書き留めます。
※実例は本で紹介されたいたものではなく、より広義で実用的なものを記載
学習心理学とは
まず学習とは、経験を通じて人の行動が変化していく事を指します。
身近な例であれば、「蛇口をひねれば水が出る」ことも学習で身に付く事です。
「蛇口」と、「水が出る」この2つの要素の繋がりは、生まれた時から分かっていた訳でなく、家庭で学びます。そしてそれを見たり体験したいすることで、身に付く事です。
そして学習心理学は、出来事に対して起きる人間の行動変化のプロセスを分析する学問になります。
学習心理学を理解していくことで、スキルアップについて考えていきましょう。
学習の方法
1. 体験
・実体験により対象へ慣れる(慣化)
例:タイピングを繰り返して速くできるようにする
・失敗を経験して次から注意する(鋭敏化)
例:タイプミスが起きた際、起きた時のタイミングやきっかけに注意して次回から防ぐ
・物事の関連を学習(レスポンデント条件付け)
例: 歴史の学習において、人物とその人物が行った偉業、社会的背景を学ぶ
・プロセスと結果を評価して次に役立てる(オペランド条件付け)
例: 生産ラインにてPDCAサイクルを回して品質を改善する。※本では報酬や罰で望ましい結果を出すよう学習が行われると書かれていた
体験によるメリットは以下のようなものがあります。
・5感を使うので記憶しやすい
・場数を踏める=様々な状況への対処を学べる
2. 観察
観察とは手本の対象を見て、その技能を模倣する事です。
観察にあたって重要なのは、対象から必要な要素を読み取って自分なり理解することになります
→実行例: プレゼンの上手い先輩社員を観察して、ポイントのつかみ方・抑揚の付け方・興味の惹きつけ方など、自分に足りないものを感じながら取り入れていく
観察による学習をすれば、自己流に染まらず、正しいやり方を身につけることができます
3. 言語
座学やマニュアルなどによる学習。知識やルール、論理を学びます。
言語学習により、知識や理論を整理しながら学ぶことができます。
加えて、理屈も学ぶことができるので、それをベースに応用に繋げていくこともできます
「学習の仕組み化」が効率を高める
スキルの獲得を効果的に進めるためには、体験・観察・言語学習をバランス良く取り入れていく事が必要となります。
なぜなら体験のみでは場数が増えても、知識の整理が不十分となります。また言語学習ばかりでは頭でっかちとなってしまいます。
さらに、体験・観察・言語学習をプロセスの中に取り入れて、学習を進めていく事で効率的に学習を習慣づけることができます。その例をいくつか紹介します。
予習→実践→復習のプロセス
その一例が、予習→実践→復習です。
予習
言語学習や観察で、前提知識と疑問点を整理
実践
・その上で実体験を通じて実践。予習で準備した疑問点や、自分の理解の正しさを確かめる
・メモを取る
→言語や観察ではなく、体験でしか学べないことは貴重。体験を通じて学んだ事、感覚的なことを忘れないよう、メモに書き留める
復習
・実践でメモしたことを読み返し、それを詳細にまとめてみる→これが自分オリジナルの教材になる
・必要に応じて知識を補い(これが補習)、対象への理解を深めていきます。
・ここまでできると、学習対象への自己関与度が高まるので、勉強方法に様々な工夫ができるようになる。自己関与度が高まると記憶の定着度も上がる
PDCAサイクルへ組み込む
PDCAサイクルを取り入れるのも良いでしょう。
目標を設定した上で
P(計画)
・学習の方法を考案(体験で学ぶか、本を読んで実践するか、などなど)
・そこで合わせて学習結果の確認方法も決める
・負荷のかけ方を考える(求められるパフォーマンスに対して、量・時間・スピード・正確さなどの観点で、どのような負荷をかけるかを考える)
D(実行)
・学習の実施で、負荷を意識しながら取り組む
C(チェック)およびA(改善)
・学習結果により、学習前と学習後でスキルのパフォーマンスを比較する。
・計画通りになっているかを確かめ、計画と乖離があれば問題点を分析し、対策を検討→次のPDCAへ
・他者からフィードバックをもらうのも良い
インプット→アウトプットの繰り返し
インプットとアウトプットは学習に欠かせない要素です。
インプットにより学習内容を理解します。
インプットは主に言語学習か観察によって行えますが、定着には体験と繰り返しが必要です。
また、インプットとアウトプットを繰り返していくと、「覚えづらいこと・身に付きにくい事」が見えてきます(これを心的フックという)
このプロセスにより心的フックへの関心が強まり、それが記憶への刺激になり、定着を促進します。
このようなやり方により、スキルの定着度を高めていきます。
このように、学習の要素(体験・観察・言語学習)を「仕組み化」に落とし込み、継続していくことで結果を出していくことに繋げていくことができます。
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