ストレス対策には「開き直り」が必要

メンタルヘルス

仕事や学校、家庭においてもストレス対策は重要テーマになるかと思います。

ストレス対処法は、メディア、本、心理学研究などで紹介されているように様々ですが、最終的には「開き直り」が必要だと思います。

この記事ではストレスコーピングについて述べた上で、「開き直り」の考え方について記載したいと思います。

コーピングによるストレス対策

ストレス対策には色々ありますが、主なものに「コーピング」というものがあります。

コーピングとはストレスに対して、戦略的に対処をするための方法のことで主に以下の3種類が挙げられています。

ストレス解消型コーピング
まず一般的なストレス対策として挙げられるのがストレス解消型です。
気分転換や休養などにより、ストレスから一時的に離れて脳を休めるなどがあります。
問題焦点型コーピング
これはストレスの原因に直接働きかける方法です。
問題焦点型には積極型と消極型があり、積極型は優先度を作って対応する、問題を整理する、人に相談する、などが挙げられます。
消極型は、問題を先送りにすることや自分ではどうもならないと諦めることになります。
情動焦点型コーピング
情動焦点型とは、自分の気持ちに向き合ってストレス対応をすることです。
これは誰かに話を聞いてもらう、状況を肯定的に捉えるなどが挙げられます。

コーピングの実行に当たっては、ストレスの性質や今の状況に応じて適切な種類の対応をするようになります。

コーピングは非常に有効なので、また別の機会で詳細を書きたいと思いますが、
上記のように対策の観点を意識して、具体的な対策を準備するのが良いでしょう。

開き直らないと、ストレス対策は骨が折れる

しかし、ストレスの深刻さや解決の難易度によっては、対応が困難だったり対応そのものに負荷がかかる場合もあると思います。

例えば以下のような場合です。

プレイングマネージャーで
業務量と責任が大きく、部下に仕事を可能な限り割り振っても処理しきれない。チーム内での作業改善はやり尽くした感があり、スケジュール調整は自分の権限でできないため、上司に相談したが調整は難しいとのこと。
総務や人事に相談しても、基本は現場での解決を求められており、人員の増強検討も中々進められていない。
新入社員で
仕事のストレスが大きいが、職場での信頼がまだ無いためか、上司や先輩に相談しても適当にあしらわれてしまう。
土日や平日夜にリフレッシュをしたいが、仕事内容の復習をしないととても追いつけない状況で充分に疲れを取れない。覚えることも多く、この状況がいつまで続くのか分からない。
上司との関係不良が
ストレス要因の9割ぐらいになっており、その上の上司や総務部へ改善を求めても変わらない。
また配置転換を要望しても、中々検討してもらえない。

このように打開の目処が付かない状況下で、ストレス対策を地道にしていくのは、だいぶ負荷が大きいと思います。

個人でできる対策には限界があり、会社にSOSを出しても解決の目処が立たない場合、「開き直り」が必要でしょう。

つまり、「ここまでストレスに向き合ったのだから後は転職や退職をする」と割り切ってしまうことです。

もちろんコーピングなどのストレス対策は有効で、無理のない範囲で対応する必要はあります。

しかしながら、ゴール無しで頑張ってしまうのはよりストレスを溜めてしまうはずです。
初めから「いざとなったら、こうする」と考えておけば、ストレス対策もできる範囲でやってみようと前向きに取り組めると思います。

また開き直ることで、より楽観的に捉えることできて不安を和らげる効果もあるでしょう。

ストレスへの開き直りの例

開き直りの例について、いくつか紹介したいと思います。

いずれも「ストレス対策をしても、最悪切り抜けられない場合には、こうしよう」とあらかじめ考えておくための方法です。

期間限定思考

期間限定思考とは、今の大変な状況はいつまでで良いと意識することで、気持ちを楽にするテクニックです。

例えば、以下のような例があります。

この会社にはあと3ヶ月だけ在職して状況が改善しなければ、転職活動を開始する。転職活動をして内定が出れば承諾してから退職を申し出る。
このプロジェクトが終わったら配置転換を上司に打診する。もし配置転換が不可であれば、転職することを引き合いに出して交渉してみる

このように、ここまでやったらどうする、という具合で考えていきます。
より詳しい例としては、下記のページに期間限定思考の考え方について色々と紹介されていますので、ぜひ参照されると良いと思います。↓↓

期間限定思考の例

自分の市場価値にプラスにならなければ、その環境から撤退する

今の仕事状況が、自分の市場価値にとってあまりプラスに働かなければ、環境からの”撤退”を考えて良いかもしれません。

市場価値を把握するには、紙に書き出して整理する、誰かに相談する他、ツールを使用する手もあります。

例えばミイダスというアプリでは、会員登録せずに自分の市場価値を測定することが簡単にできます。
ミイダスでは自分の年収相場や、面接確約オファーの件数も分かるので、自分の市場価値を知る上で参考になります。

ミイダスは類似の経歴の求人者を元に測定しているらしいのですが、こういったツールも含めて市場価値を測定すると、今の自分が正当に評価されているかを把握することも可能でしょう。

モチベーションが上がらない状況では、生産性も上がりづらいものです。

あるいは期間限定思考と結びつけて、「3ヶ月の間に勉強もしながら、自分の市場価値をあげてから転職する」という方法もあるかもしれませんね。
このように肯定的に考えてみた上で、自分にポジティブな言葉をかけるアファーメーションを組み合わせれば、よりチャレンジ精神も出てくるようになるでしょう。

医療機関を受診して、環境調整の診断書(意見書)をもらう

心身のストレスが限界に達しても頑張ってしまうことで、精神疾患などにより休職に繋がる可能性もあります。
しかしながら、心療内科などで即休職の診断書をもらうと休職する罪悪感が強く出てしまうこともあるかもしれません。

そこで病院によっては、配置転換や残業削減などの環境調整が望ましいという旨の診断書(意見書)をもらえる場合があります。

もちろん医師の判断で休職となればそれに従いますが、
そこまで至っていないと診断されれば、休職よりもソフトな環境調整で罪悪感も和らぐ思います。

医師の意見は客観的事実なので、説得力も大きいため会社も動いてくれる可能性がありますね。

しかし、事態が深刻化すれば罪悪感大きくなるので、だからこそ早期受診・早期診断が重要となります。

自分ができる対策をした上で、医師の指導のもと環境調整を試みても、適切に対応してもらえない場合は、より強い措置として休職か転職をするという考え方もアリです。

自分の身を守るためにも、開き直りができるだけの材料を揃えた上で、ストレス対策をしていくのが心理的にも安心できるのだと思います。

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